ネパールの出稼ぎ
ちょっと前に“Living on One Dollar”っていうドキュメンタリーの話を書いたけど、
実際にネパールでは人口の半分以上は1日の収入が1ドル以下の生活を送ってる。
村では生活費もそんなにかからず自給自足でやりくりして十分に生活できる、という見方もあるけど、国際基準で言えば貧困ライン以下の生活であることには変わらない。
そんな現状の裏にあるのが出稼ぎ。
ネパール人の30%が海外からの送金を受け取っていると言われていて、
一家庭が年に受け取る額は世界でも5番目に大きい額。(平均8万440円)
出稼ぎ先は中東やマレーシアが多い。
毎日約1500人もの人が出稼ぎに国外へ出て行く。
それと同時に海外で死亡した労働者の遺体が毎日3人ほど運ばれてくる。
多くの出稼ぎ者は危険で長時間の重労働を強いられたり、契約以下の給料を渡されたり、パスポートを取り上げられる人もいる。
この状況をどうにかしないと、ってので政府も年齢や国に規制を設けたりしてるのだけど、結局みんな他のルートを使って出て行く。
そもそもネパールでは十分に職がないことが原因で出稼ぎに出て行ってるのだから、規制どうこうってよりも、まずはネパールで職を作ったり技術トレーニングを行ったりすることが必要だよね。
毎日出て行く1500人がネパールに留まって、今国外にいるネパール人口の14%の人がネパールに戻ってきて一斉に職を手にしようとしたらどうなることか。
ネパール側の規制に限らず、出稼ぎ先の国でも移民受け入れの規制を行ったり、その国の経済状況がこれからどうなるかも分からない。
物資だけでなく収入源ですら海外に頼るネパールの脆弱さは問題だよね。
出稼ぎについて報道記事を見ると悲惨な話がたくさんあるんだけど、でも実際に個人の話を聞くと、 出稼ぎのお金によって一家の生活が良くなるっていう話もたくさんある。だからリスクを背負ってでも行く。
そんな出稼ぎのプラス面を教えてくれたホームステイ先のお父さんの話を、次回。